嚥下・発声訓練に関する訪問看護の取り組み
「嚥下の訓練を、看護師さんがやるんですね」 訪問のご相談をいただく中で、そう驚かれることがあります。
当ステーションには現在、ST(言語聴覚士)は在籍していませんが、看護師が嚥下評価・嚥下訓練・発声練習を行い、PT(理学療法士)・OT(作業療法士)と連携しながらリハビリメニューを一緒に考え、訪問看護の一部として取り入れています。
今回は、安城市内で、嚥下・発声訓練に関する支援を検討されているケアマネジャーさんに向けた事例紹介です。
パーキンソン病の利用者さんからのご相談
「よだれが多くて困っている」 「言葉がうまく出ず、人と話すのがつらい」 というご相談でした。
パーキンソン病等の神経難病の方への訪問看護は、多くが医療保険での介入となります。 当事業所では、神経難病の方の看護師の訪問は1回60分の訪問を基本とし、体調管理や薬剤管理、処置など、利用者さん一人ひとりに合わせた看護を行っています。
今回の方では、口腔周囲のリハビリが必要と考え、次のような内容で看護師が週1回の訪問を行いました。
• 15分: 体調管理・全身状態の確認
• 45分: 嚥下・発声を中心としたST訓練
看護師が行うリハビリの強み(嚥下・発声訓練)
PT・OTのリハビリと比べて、 「看護師がリハビリをして大丈夫なのか?」 と不安を持たれることもあります。
実際、私たち自身も最初は迷いがありました。 しかし、看護師が行うリハビリには、次のような強みがあります。
• 体調面や服薬状況を確認しながら訓練ができる
• 薬剤の反応を見ながら、その日の状態に合わせて内容を調整できる
PT・OTよりも比較的長い時間、継続して関われる 「今日は少し疲れやすいな」 「この薬を飲み始めてから動きが変わったな」 そうした小さな変化を見逃さず、リハビリへつなげられるのは、看護師ならではの視点だと感じました。
利用者さんからの嬉しい言葉
看護師によるリハビリを継続する中で、少しずつ変化が見られるようになりました。
• よだれが口から垂れることが減った
• 発声が安定し、言葉が聞き取りやすくなった
そしてある日、利用者さんからこんな言葉をいただきました。 「前より話し方がスムーズになった」 「電話に出られるようになった」 「孫に“前より話せてるね”って言われたんです」 その言葉を聞いたとき、私たちも胸がいっぱいになりました。
さらに、「もっとリハビリをやってみたい」と前向きな気持ちを話してくださり、現在はPTによるリハビリを週1回、看護師によるST訓練目的の訪問を週2回に増やして継続しています。
嚥下・発声支援における訪問看護とチーム連携
今回の事例は、看護師がST訓練を行ったことでの一つの成功例です。
しかし、私たちは言語聴覚士という専門職のリハビリには到底かなわないということも、十分に理解しています。
だからこそ、 看護師やPT、OT、そしてST それぞれの専門性を尊重し、チームとして利用者さんを支えることが何より大切だと考えています。
私たちつくし訪問看護ステーションは、利用者さんの未来が少しでも明るくなるように、 チームで、心を照らす支援を続けていきたいと思っています。 もしこの想いに共感してくださる言語聴覚士さんがいらっしゃいましたら、ぜひ仲間になっていただけると嬉しいです。
また、同じ想いを持つスタッフが当事業所にはたくさんいます。ケアマネジャーの皆さまとも、一緒に利用者さんを支えていけたらと思っています。ぜひ一緒に、利用者さんの心を照らしていきませんか。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。