ガン末期の在宅療養における訪問看護|医療保険・訪問頻度・24時間対応を解説

2026年2月2日

住み慣れた我が家で、最期まで自分らしく

― ガン末期の在宅療養を支える訪問看護の役割 ―

「ガン末期と診断されたけれど、本人は“家に帰りたい”と言っている」
「でも、もし家で苦しんだら……私たちだけで支えきれるのだろうか」

大切な家族の最期の時間を考えることは、想像以上に心をすり減らします。

私たち訪問看護師は、そんなご家族様の不安のそばに立ち、「大丈夫。ひとりじゃありませんよ」と伝えるためにいます。

この記事では、主に「ケアマネジャー様や医療関係者」へ向けて、ガン末期の在宅療養で多くのご家族様が感じる不安と、それに対して私たち訪問看護がどのように関わっているのかを、費用も含めてできるだけ現場の実感に近い形でお伝えします。

①「痛みは家でも取れる?」在宅でも我慢しない緩和ケアができる理由

― ガン末期の医療的ケアへの不安 ―

ご本人様・ご家族様から最も多く聞かれるのが、**「痛み」**への不安です。

「病院ならすぐ点滴してもらえるけど、家では我慢させることになるのでは」そう思われるのも、無理はありません。

けれど、今の在宅医療では、痛みや苦しさを“我慢させない”ケアが自宅でも可能です。

医療用麻薬(内服・貼付・持続皮下注など)は、ご本人の状態に合わせて適切に使用できます。訪問看護師は副作用を見越しながらケアを行い、主治医や薬剤師と連携して、その日の状態に合わせた調整を行います。

呼吸の苦しさや不安感など、ご本人様がうまく言葉にできないつらさも、表情や呼吸の変化からくみ取り、放置しません。

【ケアマネジャー様へ】
当ステーションでは、麻薬管理や持続皮下注の管理実績があります。痛みの増強に対し「安易に次の訪問まで様子を見る」という判断はせず、早期に主治医へ相談するなど待たせない対応を大切にしています。

②「介護未経験でも大丈夫?」家族だけで抱え込まない在宅療養

― 生活面・介護負担への不安 ―

在宅療養と聞くと、「24時間つきっきりで介護しなければならない」そう思われる方も少なくありません。

でも実際には、すべてをご家族様だけで担う必要はありません。

看護師訪問時も、身体拭きや排泄の介助、足浴やシャワー浴も行えます。
また、訪問看護師は、医療処置を行うだけでなく、ご家族が無理をしすぎないためのコツもお伝えします。

・力を使わないオムツ交換や体位変換
・介護する人の体を守る動き方
・今日はここまででいいという線引き

ケアマネジャーさんと連携し、ヘルパーや福祉用具を組み合わせながら、ご家族様がきちんと休める環境を整えていきます。

③訪問看護はどれくらい来る?頻度・時間・保険の使い方を実例で解説

「訪問看護は、実際どれくらい来てもらえるの?」
「介護保険なのか、医療保険なのか分からない」

これは、ご家族様・ケアマネジャーさんの双方から聞かれる質問です。

ガン末期(末期悪性腫瘍)の場合、訪問看護は医療保険での利用が基本となります。

そのため、
・介護保険の支給限度額を圧迫しない
・訪問回数の制限が比較的少ない
・状態変化に応じて柔軟な対応ができる
といったメリットがあります。

実際の現場では、看護は医療保険、生活支援は介護保険という形で役割分担するケースが多くなります。

訪問頻度・時間の実例
■在宅開始直後
・週2〜3回/1回30〜60分
→ 痛みや薬の確認、ご家族への説明が中心
費用:8000~12000円程度(1割負担)

■症状が進行してきた時期
・週4〜6回/1回30〜60分
→ 麻薬調整、清潔ケア、体位調整など
費用:16000~24000円程度(1割負担)
※高額療養費制度が適応されるため、例えば75歳以上の年金収入が中心の場合は自己負担額の上限が18000円になります。

■最期が近づいた時期
・ほぼ毎日/必要に応じて1日2回
→ 状態変化への即応、ご家族の不安対応
費用:30000円程度(1割負担)
※高額療養費制度が適応されるため、例えば75歳以上の年金収入が中心の場合は自己負担額の上限が18000円になります。
※共通して緊急時の訪問がある場合、1回あたり1200~1600円になります。

■夜間・休日について
24時間対応体制加算・緊急訪問看護加算の対象となることが多く、夜間や休日の電話相談、必要時の緊急訪問にも対応します。

④「夜中に急変したら?」在宅療養で一番怖い時間帯の安心体制

― 24時間対応と孤独への不安 ―

夜中に状態が変わったとき、「救急車を呼ぶべきか分からない」その迷いをひとりで抱える必要はありません。

まずは電話でご相談ください。

状況を聞いたうえで、様子見・訪問・医師連絡を判断します。

⑤「最期の瞬間」はどうなる?

― 看取りへの不安 ―

亡くなる前に起こる体の変化を、事前にお伝えすることで、ご家族様が慌てず、その時間を受け止められるよう支えます。

旅立ちの後はエンゼルケアを行い、ご本人が好きだった服を着て、「お疲れさまでした」と声をかける時間を大切にします。

⑥ケアマネ・医療職が安心して任せられる訪問看護とは

― 迅速なレスポンスと多職種連携 ―

状態悪化時の即応、リアルタイムでの情報共有、ご家族の揺れる気持ちのフィードバック。

算定ありきではなく、生活に合った支援を優先しています。

⑦結びに:家は、最期の時間を「生きる場所」になれる

在宅で看ることは、簡単な選択ではありません。
迷い、悩み、立ち止まることもあります。

それでも、住み慣れた家で過ごす時間は、その人らしさを“生ききる時間”になります。

迷っている段階でも構いません。良かったらまずは、今の状況を聞かせてください。

【お問い合わせ先】
つくし訪問看護ステーション(安城市)
電話:0566-45-6789(担当:室井)
※「ブログを見た」とお伝えいただくとスムーズです
※ご相談のみでも大丈夫です。無理なご提案はいたしません。

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